まっちゃんの勝手に書かせてちょーだいっ


その7 (22/01/10)

その6 (19/10/12)

その5 (17/02/03)

その4 (11/03/29)

その3 (08/04/28)

その2 (02/07/30)

その1 (2000/7/30)


その7 (22/01/10)

お久しぶりです。

今年(2021 年)は春先から咳込むことが多く、ついに花粉症になったのかと思っていましたが、夏頃になってもおさまらず、 8 月に病院で診断したところ、気管支喘息であることが判明しました。現在治療中で回復の途上です(投薬のため、声がかすれるのが難点)。

職業柄、電離放射線・特定化学物質・有機溶剤などを扱っているので、血液検査を受ける機会が非 常に多く、 2020 年の後半頃から白血球数の上昇が指摘されていたのですが、通常の健康診断では何の指摘もなく疑問に思っていました。兆候はでているものなんですね。

しばらくは無理のない範囲で練習に参加する予定です。皆さんも健康に気を付けて良い一年にして下さい。


その6 (19/10/12)

今回も職場の話題から。

4月から大学院の講義が全て英語開講になった(これまでは留学生対象の講義のみ英語でした)。日本人学生に英語で講義してみると気がつくことは意外と多い。たとえば最近の学生さんには筆記体が通用しないこと(中学高校の先生には常識なのかもしれないが、学校により対応が異なるため筆記体が理解できるのは半数程度。

気付かずに板書していたら教室がざわつきはじめる事態に…)、そして専門用語に苦戦することなどなど(物質名など日本語にはとりあえずカタカタ表記されているものが多く、しかも英語が語源でもないものあるため、正確に発音するとこれがなかなか通じません)。

英語に限らず大学での語学の環境は大きく変わってきた。自分達が学生の頃(今となっては30年くらい昔)は第二外国語といえば、独・仏・露の3つに限られており、有志により中国語の自主ゼミが開かれていた程度だったのだが、その後、中国語が正規の講義になり、現在ではイタリア語、韓国語、スペイン語も選択できるようになっている。

ついでに古典ラテン語、古典ギリシア語なども開講されている(ラテン語は学名をつける際に必須なので理工系でも需要がある。話者はいない言語なので講義は文法のみ)。個人的にラテン語は是非聴講してみたいと思っているのだが、毎週同じ曜日の同じ時間帯にスケジュールを空けるのが難しく今のところ実現していない。

語学については、技術の進歩も著しい。AIの進歩もあり翻訳ソフトのレベルは以前より格段に高くなってきており、最近の市販ソフトなら仕事でも使えるようになってきた(フリーで使えるGoogle翻訳でも意味は通じるくらいの水準になってますよね)。

POCKETALKEasy Talkなど双方向音声翻訳機も普通に出回るようになってきており、「ほんやくこんにゃく」(この言葉が分からない人はまだまだ若いと思ってください)がリアルになる日もそう遠くないと思えるこの頃である。


その5 (17/02/03)

前回のコラムが、20113月だったのでほぼ6年ぶりの登板になるまつもとです。

かじがやさんには昨年末にコラムを依頼されていましたが、メールを完全に見逃していました。すみません。

仕事の関係で長期間休団していましたが、昨年4月にようやく定職を得ることができました。今年度は職場でも1年生のクラス担任になったりして学生と接する機会が格段に増えていますが、自分が学生の頃と比べると情報ツールの進歩による変化には驚いています。

会社見学などで学生を引率することも少なくありませんが、集合場所に集まっていない学生をLINEで呼び出せるなんて便利な時代になったものです。

講義風景も一昔前とはかなり変わってきています。

最近は講義資料を事前に大学のWEB上にアップロードすることになっているので、学生はあらかじめ資料をダウンロードして講義に出席しています。

ここで、資料を印刷して持ち込む派と端末で閲覧する派に分かれますが、学年が下がるほど、印刷してくるのは少数派に。

端末も院生はラップトップPCが多いものの、学部生はタブレットが圧倒的に優勢なのも面白いところ。数年の違いが大きいことが実感できます。

板書をすると写真撮影で対応するのでノートをとることもなく、質問にもその場でGoogle検索して答えてくれます。SNSのおかげで講義中に私語はないものの教室の一部で突如笑いが起きたりする一見すると不思議な現象もみられます。そんな彼らに戸惑いながらも、どうやったら自分で手を動かし、自分で考えるようになるのかとこちらも試行錯誤が続いています。

人工知能(AI)技術の進化が進む現在、教える仕事自体がコンピューターに置き換わる可能性もゼロではありませんが、ここまでくると、むしろこの先10年でどう変わっていくのかが楽しみな今日この頃です。


その4 (11/03/29)

3月はじめの海外出張直前に、かじがやさんから依頼されたこの原稿。東北関東大震災をはじめいろんなことが起こった1ヶ月でしたが、今回の話題は出張先でもあるイギリス・ケンブリッジ大学について。

7年前から毎年出張しているケンブリッジ。毎回、弾丸トラベラーのような強行日程と実験室を主な棲息場所とする引きこもり研究者という仕事のスタイルのため、ツアーで行くような観光スポットのことは良くわかりませんが、さすがに毎年訪問していると街にも詳しくなってきます。今回はこれまでの徘徊の成果の一部をお届けします。

ケンブリッジへはいろんな行き方がありますが、おすすめは電車。ロンドン・キングスクロス駅から50分弱で行けます(間違っても各駅停車に乗らないように)。出発直後にプレミアリーグの強豪・アーセナルの本拠地であるエミレーツスタジアムなどが見えるロンドン市内を通りすぎれば、車窓からはのどかな田園風景が楽しめます。

ケンブリッジ大学の創立は1209年(日本でいえば鎌倉時代)。特にキャンパスがあるわけでなく、街のなかにカレッジ(学寮)、学部、研究所、博物館など大学施設が点在しています。学園都市ですが観光客が多いのも特徴(最近ではハリーポッターの撮影地にもなっているオックスフォード大学の方が人気のようですが…)。

以下に、おすすめスポットと関連情報を紹介。

・キングスカレッジ
市内中心部にある最も有名なカレッジ。合唱団が有名ですが、残念ながら未だに一度も演奏を聴いたいことがありません。毎日夕方から行われている礼拝時の男声4部合唱(含む少年合唱)はかなり聴きごたえがあります。

・トリニティカレッジ
かのニュートンが卒業したという理系心をくすぐるカレッジ。カレッジの入口にニュートンのリンゴの木と伝えられる木があります。がしかし、最近の出張でロンドン近郊の国立物理学研究所にもニュートンのリンゴの木が存在することが判明。接ぎ木でもしているのか?或いは自称本家・元祖的な論争は洋の東西を問わないってことなのか?未だに真相は明らかになっていません。

ホール内には巨大なニュートン像があります。ニュートン像だけでなくフランシス・ベーコン像のゆるさも必見です。

・工学部&材料工学部
仕事で最も頻繁に訪れる場所。工学部の正門にはジェット・エンジンを発明したフランク・ホイットルを記念するプレートが掲げられています。ちなみにこの発明は彼が学部生のときのもの。当初は奇抜すぎてイギリスでは全く注目されなかったそうですが、現在のジェット機の普及を考えるとその影響ははかりしれません。

こちらの研究スタイルは基本的にハードワーク。多くの研究者は早朝から深夜まで研究しています。午後になると教員と学生が全員参加するティータイムがあるのもイギリスならでは。

・ウェストケンブリッジ地区
市内中心部から西へ約2km、キャベンディッシュ研究所を中心に最新設備の研究所が多く立ち並ぶ地区。理系の人なら高校の教科書で見たことのあるノーベル物理学賞受賞者の名前がついた通りや建物が多いのが特徴。

こちらではケンブリッジ大学に寄付をすることが富裕層のステータスとされるので寄付による建物も多く、最近ではビル・ゲイツの寄付によるウィリアム・ゲーツ・コンピューターサイエンスセンターという巨大な研究所も建てられています。研究費の工面に日々頭を悩ます身としては羨ましい限り。

・食事
世界中のどこに行ってもお金さえ出せばおいしいものが食べられるのは揺るぎのない事実ですが、問題は身の丈にあった出費でおいしいものが食べられるかどうかってこと。手間暇かけて素材の味を台無しにすることに関しては定評のあるイギリス料理ですが、ケンブリッジは観光地なのでカフェめしやパブめしについては特に問題ありません。

また留学生が多いためか、インド料理や中華料理のレベルは相当高く、ここ数年で日本食の水準も急上昇しています。イタリア料理は店によって当たり外れが大きいので要注意。ちなみに大学内の昼食事情ですが、教員や学生の多くは研究所や学部の売店で売っているパン、リンゴ、飲み物等でごく簡単に済ませています。

・パブ
イギリスと言えばパブ。おすすめは市内中心部にある16世紀からつづく老舗パブ「イーグル」。ここのエール系の地ビールとフィッシュ&チップスは試してみる価値があります。さらにこの店は20世紀最大の発見「DNAの二重らせん構造」のアイデアが生まれた場所としても有名。

発見者であるワトソンとクリックがビールを飲みながら議論をかわしたというテーブルも残っています(偏った話題で恐縮ですが、興味のある人はジェームズ・ワトソン著「二重らせん」(講談社文庫他)を読んで下さい)。

皆さんも何かに悩んだときは少し生ぬるいエールビールのグラスを傾ければ素晴らしいアイデアが浮かんでくるかもしれません。ちなみに学生向けのパブでは深夜になると学生達が踊りだすためパブというよりクラブと化している店が多いのもケンブリッジの特徴。

・カラオケ
日本文化といえば KARAOKE。こちらでは、お店で歌うだけでなく、ホームパーティーでYou Tubeを音源に使ってカラオケを楽しむ人もいるぐらい浸透しています。日本の歌としてイギリスの学生からリクエストされることが多いのが名曲(?)“CHA-LA HEAD-CHA-LA”。いわずと知れたドラゴンボールのオープニングです。

歌い終わるときまって爆笑の渦が…。特に歌唱力のせいというわけではないようで、彼らにしてみれば、えんえんと続く意味不明な言語のあとにくる最後の“Sparking!”が面白いのだとか。笑いのセンスも国によっていろいろですね。

だらだらと書き続けてきましたが、ケンブリッジはロンドンから日帰り可能で1日あれば主なところは観光できるので、イギリスに行ってスケジュールに余裕ができたときは是非行って見て下さい。運がよければ車いすでお散歩中のホーキング博士に会えるかも。個人的には冬よりも夏の方がおすすめです。


その3 (08/04/28)

気がつけば約6年ぶりのコラムになる松本@ベースです。今年の1月から仕事が変わって、練習に参加できるようになりました。今年はすでに昨年の出席回数を越えました(笑)。

このところ仕事で海外に行くことが多いのですが、今回のコラムはヨーロッパの格安航空事情について。海外出張といっても皆様の税金を使って研究を行っている身としては、如何に交通費を抑えるかがポイントです。そんなときの強い味方が格安航空券。出張前には必死にネットで検索します。なかでもおすすめはアイルランドに本拠を置くライアンエアー。

ここの安さは半端ではありません。一例を挙げるなら、ロンドン−パリやロンドン−ライプツィヒ(ドイツ)などヨーロッパ主要都市間の運賃が1ユーロ(=約160円)。想像してみて下さい。京急で横浜から上大岡まで行くより安い運賃で海外まで行けるのです。5ヶ月ほど前に予約すると0.01ユーロというさらに衝撃価格の路線もあります。(実際には運賃の他に税金や空港使用料等がかかるので3千円程度にはなりますが。)

サプライズは価格だけではありません。基本的には空港使用料がタダ同然のマイナーな空港を使用しているため、空港まで辿り着くのが難しかったりします。(ロンドンといってもヒースロー空港ではありません。)

このような空港はEU各国の地域振興策として作られているらしく、大自然の中に滑走路と倉庫のような建物があるだけという非常にシンプルなものが多いのが特徴です。空港から最寄の主要都市までのアクセスは1時間以上かかるところがほとんどで、空港までの交通費の方が運賃より高くなります(苦笑)。

空港に辿り着いた後もサプライズは続きます。客席は全席自由のため、搭乗手続きの後は座席確保のために飛行機までダッシュです(運動不足の人にはいいかも)。機内サービスは基本的に有料(新幹線みたいな感じですね)。着陸後にはなぜか必ず機内に拍手が湧き上がりアットホームな雰囲気を体験できるというおまけつき(フライトの安全に感謝するため?)。

今や、旅客数ではヨーロッパ第3位の航空会社にまで成長したライアンエアー。数年後には10ユーロで大西洋便が就航するという計画もあるそうです。皆さんも機会があれば是非試して見て下さい。きっと飛行機が今までより身近に感じるはず。なによりも確実に『ネタ』として使えます。


その2 (02/07/30)

6月にかなり長かった学生生活から足を洗った。といっても肩書以外は今までと何も変わらない生活を送っているのだが。中途半端な時期に卒業することになった訳だが、さすがに卒業式はあるらしい。しかもそこには、お約束であるしゅわるべんによる学歌の演奏も、催眠効果を持つ祝辞の数々も、長い待ち時間も無く、珈琲を手にした歓談のひとときがあるという。

そんな季節はずれの卒業式を心待ちにしていたところいきなり延期のお知らせが…(どうやら最小挙行人数を下回ってしまったらしい)。という訳で卒業して就職までしたものの未だに卒業証書は手にしていない。

前置きが長くなってしまったが、今回の話題は最近復活した山登りについて。登りはじめたのは大学4年の頃、まわりに山に登る人がいたから、という主体性のない理由からっだったと記憶している。最近はご無沙汰していたのだが、先日学生時代最後の休日を利用して栗駒山(岩手、宮城、山形、秋田県境、標高1627m)に登って来た。

幸い、梅雨前線より北に位置していたためお天気も良く、高山植物もきれいで、鶯のさえずりや蛙の鳴き声も聴け、少し硫黄臭い場所もあったが、筋肉痛にもならず無事に復帰戦を終えることが出来た。さて今年はあといくつ登れるのだろうか。


その1 (2000/7/30)

『そろそろ慣れた頃でしょうから…』ということで石井編集長からコラムを依頼された。確か3月に入団した記憶があるのだが、その後なんだかんだと忙しくお休みモードに突入。

気付いてみれば、江藤の背中が遠くに見え、吉田さんはもちろん先輩である。慣れるどころか存在すら怪しい今日この頃、この分だとベースの隠れキャラとなる日も近いかも(すいません、8月から心入れ替えます>高田さん、藤澤さん)。

さて、初回の話題は大学生活について。昨年4月に社会人から再び学生に戻った。自分の出身研究室へ戻ったので"出戻り君"と呼ばれている。一応、大学院には社会人入学という制度もあるのだが、この制度は企業による学費の全額援助が前提となっている為、個人的に進学しようとする学生には全く関係のないものになっている。

こんなハンディにも関わらず、私の属する専攻では最近"出戻り君"が増殖している(と言ってもまだ2割にも満たないが)。ちなみに博士課程というところは日本人学生の方が少なく、一見するとアジア系多国籍軍の様相を呈しており、公用語は中国語である。

このような環境で日々取り組んでいるのが研究というやつである。現在、おもてのテーマとして 医療用高分子材料の研究(人工臓器なんかに使われたりする)、うらのテーマとしてベンチャービジネスとの共同研究に取り組んでいる(何のことはない、自分で自分の研究費を稼いでいるようなものである)。

おもてのテーマは学位論文の為、うらのテーマは社会との接点と生活の為どちらも大切なものである。 とりあえず、「アイデアはあるけど忙しすぎて検討する時間がない」環境から「設備もお金もないけど拘束もない」環境へ移って早1年半。

戻った頃には、会社で3日で出来てた仕事が大学では1ヶ月近くもかかる効率の悪さに切れそうになることもあったけど、『インディーズでもクオリティの高い研究は可能』であることを実証すべく若い学生さんのお邪魔にならないよう試験管を振る毎日である。